いよいよこれから、WBS分解工数策定の結果を、如何に実践的に活用していくかの説明に入ります。エクセルでそのまま活用している人も要るかと思いますが、私はやはり専用ソフトの力を借りた方が便利だと思います。


  • プロジェクト管理ソフト
私は Microsoft Project(以下、MSProj と略す)を使います。個人的にはこのツールが最高なのですが、なぜか使わない人が多いですね…。参考までに MSProj の似たようなフリーアプリがいくつも公開されています。出来る事が少なかったり、不安定だったりとまだ難ありという話ですが、お試しには良いかと思います。

OpenProj
https://ja.osdn.net/projects/sfnet_openproj/

GanttProject
https://ja.osdn.net/projects/sfnet_ganttproject/

ProjectLibre

同じ事が出来るのであれば、どのツールでも良いと思いますが、本記事では MSProj で説明を進めます。まず MSProj を起動して空のプロジェクトを選択します。
新規/空のプロジェクト
最初にいくつか初期設定を行います。左下に「新しいタスク:手動スケジュール」とあれば、それは自動スケジュールに切り替えます。
自動スケジュールに切り替え
表示の場所をクリックすれば、選択項目が出ますので、自動に切り替えます。
稼働時間の変更
続いて、日付部分を右クリックして「稼働時間の変更」を行います。デフォルトで日曜日と土曜日は非稼働日になっていますが、祝日などは加味されていません。そのため、こちらは自分で登録していく事になります。
稼働時間変更ダイアログ
登録後は一旦プロジェクトの保存をしましょう。※ 消えると意外と面倒です
プロジェクト情報
最後にプロジェクト情報を入力します。必要なのはただ一つ、開始日の設定のみです。とりあえず、ここではキリよく 2022/01/01 としてしまいます。元旦祝日ですが、自動的に休みは回避するのでここでは気にする必要はありません。



  • 項目を追加する
先に作成したWBS分解から、項目名を取り出して一旦テキストエディタにコピペします。これは色やフォント等の文字属性を消すために、テキストエディタを介しています。一番上のタスク名にカーソルを合わせて [Ctrl]+[V] とします。これでタスク名に一気にコピペされたかと思います。もし、エラーが出た場合は、テキストエディタで余分なタブや前後のスペースを取り除いてください。

続いて同様に作業工数も、テキストにしてから MSProj の期間にペーストします。この貼り付け作業後はこんな感じになります。
貼り付けた直後
タスク名のカラム右端をダブルクリックすると、項目名がちゃんと入るサイズに調整されます。この辺りの操作はエクセルと同じですね。
タスクのレベル下げ
次にタスクをグルーピングするために、タイトル項目以下のレベルを調整します。まず、プログラムから画像までの範囲を行選択します。その状態でツールボタンからレベル下げボタンをクリックします。
グルーピングされた
これでプログラム作業全てが、プログラムのタスクとしてグルーピングされます。項目名の左に ◢ の記号が追加されて強調文字になりましたが、この ◢ の記号をクリックする事で、グループ名の開閉が出来るようになります。

以下同様に、全ての箇所のグルーピングを行います。あとはエクセルと同様に色を付けるなりして、文字整形してください。
全てグルーピングした


  • 作業を接続する
この状態では、全てのタスクが並列で作業する事になっています。全く現実的ではありません。とりあえず最初に策定した順番で、タスクの作業順序を繋げてしまいます。この繋ぎ方にはある程度の法則はありますが、絶対ではないので慣れてきたら自分で良い繋ぎ方を研究すると良いでしょう。ここでは私のやり方を説明します。

まず、グループタイトルだけを行選択します。最初にプログラムのグループタイトルを行選択します。そして、ツールボタンのタスクのリンクをクリックします。専攻タスクに行番号が入ります。そして、右側のガントチャートにも変化が起きたはずです。
タスクのリンクボタン
ただ、大変見づらいのでタイムスケールを調整してしまいます。ガントチャートの日付部分を右クリックしてタイムスケールを選択します。
タイムスケール
中区分と小区分が有効になっているので、ここの単位とサイズを適当に変更します。私はここでは中単位を「月」、小区分を「週」にしました。この単位の設定は全体のプロジェクトの長さによって、見やすい単位に調整します。これでプロジェクト全体がガントチャートで見えるようになりました。
ガントチャートが見えるように
続いて、同一グループ内も行選択してタスクのリンクボタンを押していきます。この結果、タイムスケールを調整しないと全体像が見えなくなりましたので、小区分を「旬」に変更して、さらにズームも70%程度まで縮めています。完成したガントチャートがこちら
プログラム1
プログラム2
リソース
ゲームプレイ近辺のチャートの接続が間違えやすいので注意が必要です。さて、ここまで出来て、少し驚きませんでしたか?パックマンを一人でプログラム制作すると、6ヶ月以上かかってしまうのです。そんなはずはない、3ヶ月で十分だって?そうでしょうね、私だってそれくらいで出来るとは思います…何も問題が無ければ!

プロジェクト管理とは、最初にどれだけリスクを加味して予定を立てるかなのです。6ヶ月あれば出来そうな気がしますよね。まずはそれが大切です。その上で、ここからさらなるリスクを検討した上で、可能な限り無理なく予定を早める予定構築を…次回説明します。今回は基本的な操作説明だけで、めっちゃ長くなってしまいましたので、ここまで!

・・・あー、あと、当初考えていたより期間か長くなっちゃったので祝日の追加を忘れずに