先日手に入れた MC2SIO を設定してゲームを動かすまでの手順を解説します。簡単に言えば使い方の説明ですね。MC2SIO は、吸い出して ISO ファイルにしたゲームを、PS2 の実機で起動するためのツールです。MC2SIO の購入はこちらが良いと思います。2022/05/31 13:00 現在はまだ購入可能でした。

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  • SwapMagic 3 で USB メモリから uLaunchELF を起動する
2022/05/31 14:50 追記
コメントで教えて貰いましたが、今は FreeDVDBoot というのがあって、なんと DVD-R に焼いただけで USBメモリの uLaunchELF を起動できるそうです。有志の方は是非チャレンジを!


私は SwapMagic 3.8 を持っているので、FMCB インストール済みのメモカを買わずに自分で FMCB + OPL 入りのメモカを自作します。FMCB 入りを購入した人は、ここに OPL(Open PS2 Loader)を入れるだけですので、OPL のインストールまで進んでください。

まず USBメモリと SwapMagic 3.8 を用意します。SwapMagic 3 は時々ヤフオクとかで見かけます。PS2 を本気でアレコレするのなら、持っておいて良いかと思います。


SwapMagic 3 を使うと PS2 の BIOS を取得できます。今回は趣旨が違うのでダウンロード場所の紹介までとします。


さて、USBメモリのフォーマットは FAT としてください。このため、最大で 2GB 程度が限界です。ボリューム割り当てで、サイズを調整してください。大容量は不要ですので、私はとりあえず 1024(1GB)としました。
1GBでボリュームを作成
SDカードリーダーは私は信頼の Transcend 製を使っていました。2023年11月の今はUGREENのリーダーに変えています。なぜかリーダー、無くしてしまうんですよね…^^;

次に下記サイトより wLaunchELF_v4.43a (rev288)-2020-03-19 (commit-f35bddd).zip をダウンロードします。もし、無ければ DOWNLOAD: の項目にある最新版で大丈夫だと思います。ファイル名に wLaunchELF とあるので一瞬 ??? となりますが、uLaunchELF と同じと認識しています。


USBメモリのルートに SWAPMAGICフォルダを作成します。上記でダウンロードしたアーカイブ内の BOOT.ELF を SWAPMAGIC フォルダにコピーして、名前を SWAPMAGIC.ELF にリネームします。

とりあえず、この USBメモリを PS2 に差し込んだ状態で、SwapMagic 3 の Disc を PS2 から起動して、uLaunchELF の下記画面が出るか確認してください。
uLaunchELF起動直後
今回、私はいきなり USBメモリの相性問題にブチ当たって苦しみました。シリコンパワー製の32GBタイプはダメでした💦 なるべく古くて小さい容量のUSBメモリが良いかもです。
※ 現在発売している USBメモリで使えるモノがあればご紹介頂けますと幸いです。



  • OPL をインストールした FMCB をメモカに焼く
下記の公式サイトに飛びます。OPL & FreeMCBoot Installation をクリックして、OPL-FreeMCBoot-Installation.zip をダウンロードします。聞いた話だと常に最新のセットが手に入るようです。いろいろ探しましたが、結局 MC2SIO を販売しているサイトから落とすのが一番良いみたいですね。下記リンクの少し下に Download Link があります。


アーカイブ内の FMCB v1.966 Install フォルダの中身を全て USBメモリのルートにコピーします。OPL はルートにコピーします。以下のようなフォルダ構成になります。
※ FMCB入りメモカ購入の人は SWAPMAGIC フォルダは必要ありません。
FMCBの解凍
FMCB 入りのメモカの人は USBメモリと FMCB入りメモカを、SwapMagic 3 の人は、さらにその Disc を入れて PS2 の電源を入れます。私がテストした本体は SCPH-39000 です。正しく起動すると uLaunchELF が起動します。いくつかデバイス名が並びます。
uLaunchELF デバイス一覧
今回大事なのは下記のデバイスです。

mc0: スロット1のメモリーカード
mc1: スロット2のメモリーカード
mass: USBメモリ

FMCB 入りメモカから起動した人は、そのメモカは mc0: となります。USB メモリは mass: なので、これを選択します。
FMCBInstaller.elfを起動する
※ 写真はOPLフォルダを入れ忘れています💦

ここから FMCBInstaller.elf を選択してインストーラーを起動します。とりあえず標準インストールを選択します。
メインメニュー
なお、一発でインストールできない事があります。その際はもう一度 PS2 本体をリセットしてください。USB メモリが見えない事があります。USB メモリを差し直してみるかリセットしてください。また、USB メモリが見えたり消えたりする事もあります。このような不安定な状態が続くようだと、その USBメモリは使えないと判断してください。

FMCB 入りのメモカを購入した人は、それを上書きしてしまうと事故があった時に取り返しがつきません。別途新規にメモカを用意して、そちらに FMCBInstaller.elf によるインストールを実行する事を推奨します。実際、不安定な USB メモリを使った時に一度だけメモカの内容が壊れてしまった事がありました。そうなると PS2 本体によるメモカの初期化しか無くなってしまいますので、uLaunchELF を起動する手立てが無くなってしまいます。
壊れてしまった状態
FMCBInstaller.elf によるインストールが終わったら、PS2 をリセットしてもう一度ファイラーを起動します。今度は mass: 内の OPL フォルダを Copy して mc0: のルートに Paste してください。これで FMCB メモカが出来上がります。SwapMagic 3 の Disc を取りだして PS2 を再起動します。Free McBoot のロゴが出て、いつものブラウザとシステム設定のメニューの下に uLaunchELF や OPL Standard が表示されれば成功です。
FMCB起動メニュー
OPL Standard と OPL for 75000+ の違いは本体の型番です。私が試したのは SCPH-39000 でしたので、OPL Standard を使いましたが、SCPH-75000 以上の機種であれば、OPL for 75000+ を選択してください。なお、対象機種外で 75000+ の項目を選択した場合は、最悪メモカが壊れます。私が試した時は設定変更の保存時にハングして、そのままメモカが壊れました💦



  • ゲームを Disc から吸い出す
PS2 時代は DVD が大容量で、これをコピーする大容量の HDD が手に入らなかったので、光メディアにはプロテクトが掛かっていません。そのためすんなりと iso としてデータを抜き出す事が出来ます。私のオススメは ImgBurn です。


ネットでググると公式が一番上に来ないので注意が必要です。上記リンクが公式ページです。Download タブをクリックして Mirror のどれかからダウンロードします。私はやっぱり公式から落としたかったので、Provided by ImgBurn からとしていますが、まあ、お好みです。同時に下にある ImgBurn Translation Language Files から、Japanese を落としておきます。

ImgBurn 本体のインストールは全てデフォルトで問題ないです。Japanese 日本語言語ファイルのアーカイブ内にある japanese.lng は、標準インストールの場合は、C:\Program Files (x86)\ImgBurn\Languages にコピーしておいてください。正しく日本語が適用された状態で起動すると、こんな状態になります。
ImgBurn
ディスクからイメージファイルを作成するから iso 化できます。流石にここからは分かると思いますので、説明を省略します。なお、CD のイメージ化では bin + cue が出来ます。これはそのまま保存しておくのが賢明です。
PSX PS2 コントローラー延長ケーブル 【新品】
※ PS2コントローラーの無線化はどうやら電力的に厳しいようなので、とりあえずコントローラーの延長を考えたいですね。


  • MC2SIO にゲームにコピーする
MC2SIO に入れるSDカードを初期化します。私が使用して動作を確認しているのは Lexar microSD 256GB です。その他、公式が動作を確認しているのは下記の通りです。
※ 確認と保証は異なります。ご注意ください。

・Kingston Canvas Select Plus 32GB
・TeamGroup 32GB and 256GB
 (TEAMGROUP GO Card 256GB Micro SDXC UHS-I U3 V30 4K)
・Onn brand from Walmart
・PNY brand 128GB or less
・Silicon Power 128GB Micro SD Card U3 SDXC on Amazon
・Lexar 32GB and 256GB
・Adata 32GB

SAN DISK の microSDカードだけはどうにも絶対動かないそうです。
フォーマットは FAT32 形式のみです。Windows では FAT32 で 256GB をフォーマット出来ません。私はバッファローの Disk Formatter を使用しました。このツールを使う事で SDカードを一括して 256GB FAT32 でフォーマットすることが出来ます。


ドライブ選択が少し分かりづらいので気をつけてください。私は Transcend の SDカードリーダーを使用しているので、このような表示になりましたが環境によって全然変わると思います。
DISK-FORMATTER
フォーマットが終了したら、その microSD に DVD フォルダCD フォルダを作ります。
フォルダを作成
ゲームのメディアの種類によって格納場所を変えてください。DVD メディアは DVDフォルダ、CD メディアは CD フォルダに格納します。DVD メディアの ISO をそのまま格納できるのは、サイズが 3GB ぐらいまでとなります。それ以上大きい iso は分割して格納する必要があります。分割には USBUTIL を私は使いました。

下記のサイトから USBUTIL_v2.2_rev1.0_EN+(English).7z をダウンロードします。
USBUTIL
このツールは分割情報を ul.cfg ファイルで管理しているため、後からファイルを追加する際は、既存の ul.cfg を事前に読み出す必要があります。新規作成じゃないのであれば、File → Open games list から microSD 内の ul.cfg を最初に読み出してください。
USBUTIL Open ul.cfg
続いて分割する iso を読み込みます。iso を分割するには File → Create GAME from ISO を指定します。
USBUTIL Open ISO
ダイアログから iso ファイルを選びます。出力先を microSD のルートとしてください。Media は AUTO のままで良いと思いますが、気になる人は指定してください。
USBUTIL Create game from ISO
例によって日本語は使えませんので、事前に英語のファイル名にリネームしておきます。iso から変換する際にリネームは出来るのですが、最初のファイル選択で日本語がくちゃくちゃでファイルの判別が出来ません💦
日本語が読めない
Create ボタンを押すと変換を始めます。大きいファイルだからコンバートしてて、かつ、出力先が microSD なのでかなり処理時間が掛かります。気長に待ちましょう。分割したゲームファイルはルートに配置するしか方法はないみたいです。残念ですが現時点では諦めましょう。

無事ゲームを認識すると OPL起動時にロゴが表示されます。
OPL起動ロゴ
その他、注意点がいくつか。USBUTIL の時にも書きましたが、MC2SIO は日本語が認識出来ません。日本語は全て ??? に変換されてしまいます。
日本語ファイル名は使えない
写真の一番上の ???? はテストでコピーした「虫姫さま」です。あと、Dragon Quest Shōnen Yangus to Fushigi no Dungeon と入れたのですが、ō が認識されず ? になりました。全て英語と数字だけの名前にする必要があります。

また、私は CDメディアも .iso という拡張子に変えていたのですが、これだと PCSX2 では認識しても、MC2SIO では認識しないようです。下記サイトから WinBin2iso.zip をダウンロードします(Protableでも問題ありません)。


ソースにコンバート前の CD から抜き出したバイナリ(.binとか.isoとか)を、ターゲットに microSD の CD フォルダ内に最終出力ファイル名を指定して、変換ボタンを押します。
WinBin2Iso
私は4つのファイルを試したのですが…
※ 下記いずれも英語名に変換してからコンバートしています。

シルフィード ザ・ロストプラネット
グラディウスⅢ&Ⅳ ~復活の神話~

完全動作を確認しました。

いただきストリート3 億万長者にしてあげる!
ムービーが一切表示されませんでした。ただ、ゲームそのものは出来そうでした。

トムとジェリー ヒゲヒゲだいせんそう
真っ黒のままでした…。

THE ブロックくずしクエスト ~Dragon Kingdom~
なぜかリストにタイトル名すら表示されず。

グラディウスは ISO だけの状態からコンバートに成功しました。動かないタイトルもそこそこあるんですねぇ…。

最後に、OPL 起動時にゲームリストが表示されない事があります。これは、その状態のまま、MC2SIO に刺さっている microSD 差し直すことで表示されるようになります。カチッと抜いて、完全に抜かず、もう一度カチッとはめ直すだけで問題ないです。完全に抜いてからもう一度 microSD を差し込もうとして、SDカードスロットとケースの間から、microSD が中に入って取れなくなってしまった事があります。そうなると分解しないと取り出せないです…💦
中に入ってしまったSDは分解しないと取れない



  • 所感
これでようやく MC2SIO で光メディアを使わずにゲームを進める事が出来るようになりました。256GB だと 70タイトルから、よく入って 100タイトルぐらいですが、お気に入りタイトルだけであれば十分じゃないかと思います。また、追加で 100タイトルとかしたければ、microSD を別途用意すれば良いだけですし。
ゲームリストを表示
起動するとARTフォルダが作られているので、そこに何らかの形式で画像を入れておけば、OPLの選択時にパッケージイメージが表示されそうな感じですね。これは後日また検証します。

転送速度の問題でムービーがおかしいタイトルがいくつもありました。個人的に一番残念だったのが、ちゅ~かな雀士 てんほー牌娘ですね。


これ、ムービーが楽しいのに、その全てでカクツキました。麻雀系では一番のお気に入りなんですけどね…。カンブリアンQTS やドラゴンクエストヤンガスの冒険はムービー再生も問題ありませんでした。

あと、最初のロードで色が全画面で変化するのはどうなのって思いました。かなり派手で、かなりかなり個人的には目障りです。ただ、まあ、うん、動いてるねーってのは分かるのと、ここで処理を重く出来ないとか、ここでコードが増やせないとか、いろいろ理由はありそうなので、これもまあ致し方ないかな。

FMCB + OPL の起動用メモリは、そのままゲームのセーブデータを入れる対象になりますので、純正の 8MB だと心許なかったです。そのため、私は下記の 128MB のメモカを発注して到着待ちとなっています。
kolchi プレイステーション2 Playstation 2専用メモリーカードプレステ2 (128MB)

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※ 動くかどうかは運次第な部分もあるようです。
まだ、なんとなく発展途上な感もありますが、バックアップファイルのままでゲームが進められるのは大変有り難いです。これからも開発が進んでいく事を祈っています。最後になりましたが、MC2SIO の設定に関して、Twitter にて redmax.ars さんに多大な助言を頂きました。彼も助けが無ければ、もう少し設定に時間が掛かっていた事かと思います。この場を借りて厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございました!

PS2 の画面を綺麗に見せる過去の記事もあります。
PS2用HDMIコンバーター

※ パソコン用コントローラとしてはかなり秀逸です!PS2にはそのままでは使えないですが…