ゴルフ、小さいボールをクラブで引っ叩いて、数百ヤード(ヤードは以後ydsと略す)先の10.8cmの穴ポコに何打で入るかを競うスポーツです。今回は趣向を変えて、このゴルフにまつわる基礎的な物理のお話をしてみたいと思います。
- ボールが打ち出される
ゴルフの道具と言えばクラブです。規定でゴルフ場には14本まで持ち込めます。豪快にボールを遠くまでぶっ飛ばすドライバーから、グリーン上でボールを転がす為に使うパターまで、機能別に様々な道具が開発されています。クラブを人が振り回して、ボールにヒットさせます。その時、クラブは速度を持っています。クラブの先にある、ボールをヒットする部分をヘッドと呼びます。そのため、このクラブの速度は、ヘッドの速度となります。これをヘッドスピードと呼びます。
ヘッドスピードがそのままボールに伝達されるわけではありません。ヘッドとボールは撓んだり弾んだり反発したりと、様々な要素により速度が増します。そのため、ボールが打ち出させる時の初速を、そのままボール初速と呼びます。
このボール初速はミート率という反発係数により決まります。ゴルフの規定により、このミート率は最大 1.56 までと定められていますが、その 1.56 は計測上の最大値ですので、なかなかこれを上回る数値を叩き出す人はいないです。1.5 はなかなか超えられないと思います。だいたい 1.45 以上だとナイスショットです。1.4 未満だと当たり損ないと言えます。
ボール初速 = ヘッドスピード × ミート率
アマチュア男子の平均ヘッドスピードは 42m/s ぐらいと言われています。45m/s 以上だと飛ばし屋さんです。50m/s 出たらアマチュアではとんでもない強打者と呼ばれます。ボールを飛ばすプロをドラコン選手と呼びますが、彼らのヘッドスピードは 60m/s を超えます。60m/s = 216km/h です。この速度で最大ミート率 1.5 が出たら、324km/h でボールが打ち出される事になります。これが人に当たったら危険なので、ゴルファー保険というのが存在しています。
もの凄い適当なざっくり計算ですが、ボール初速 60m/s であれば、230yds ぐらい飛びます。ボール初速が飛距離に影響しますが、これは結果なので、ショットの際に大切なのがヘッドスピードとミート率だったりします。ミート率は、ヘッドの真ん中ちょっとだけ上のスイートスポットにボールを当てると上がります。
もの凄い適当なざっくり計算ですが、ボール初速 60m/s であれば、230yds ぐらい飛びます。ボール初速が飛距離に影響しますが、これは結果なので、ショットの際に大切なのがヘッドスピードとミート率だったりします。ミート率は、ヘッドの真ん中ちょっとだけ上のスイートスポットにボールを当てると上がります。
- ボールが飛んでいく
打ち出されたボールは、様々な変化を起こしながら空中を飛んでいきます。まず当たり前に空気抵抗により徐々に減速します。ところがこの空気抵抗が単純ではありません。まず、空気密度が場所により変わります。海抜100m高くなるとドライバーの飛距離が1yds 延びる目安です。
日本で最も高い位置に存在するゴルフ場は、長野県の菅平グリーンゴルフと言われています。ここの最標高は 1564m との事で、単純計算で普段 220yds ドライバーで飛ばす人だと、235yds も飛ぶ事になります。距離感狂ってしまいますよね。
さらに湿度の影響も受けます。とあるプロゴルファー曰く、池越えのアプローチショット(グリーンに乗せようとしてボールを打つ)だと数yds飛距離が落ちるのだそうです。当然、雨天ですと飛行中のボールに雨粒が当たりますから、それが強い抵抗になり飛距離は落ちます。
さらにさらに、ボールは打ち出される時に回転力がかかります。縦方向の回転は殆どの場合は後方に巻き戻るような回転と鳴ります。この回転の事をバックスピンと呼びます。バックスピンは使用するクラブの書類によって、また打ち方によっても大きく変わります。ドライバーの適正バックスピンは 2000rpm ~3500rpm です。ボール初速が速い場合は、パックスピンは少なめが良いです。ボール初速が遅い(55m/s以下)と多めが良いです。
バックスピンは飛んでいる最中、なんと揚力として働きます。この揚力があるので、ゴルフボールは山なりに飛ぶのではなく、真っ直ぐ飛んでからポテッと落ちるような弾道を描きます。ボール初速が速い時にバックスピンが多すぎると吹け上がりと言って、ボールが二次曲線のように上空にばかり上がってしまって飛距離が出なくなってしまいます。逆にボール初速が遅い人がバックスピンが少ない場合は、おじぎと言って、ボールが途中で失速してカクンと落ちてしまいます。
そしてボールには横方向の回転も加わります。これがサイドスピンです。左回転をドロー、右回転をスライスと呼びます。計測上の経験則なので正しくないかもしれませんが、3000rpm 以下だと制御可能な範囲で左右に曲がりますが、それより大きくなっていくと曲がり幅が大きくなって、制御が難しくなります。ドロー回転がかかるとボールは左に、スライス回転がかかるとボールは右に曲がります。余談ですが、意図してボールを左に曲げるとドロー、右に曲げるとフェードと呼びます。意図せず大きく左に曲がるとフック(チーピン)、大きく右に曲がるとスライスと呼ばれます。この説明の左右は右打ちの人の例で、左打ちの人の場合は正反対になります。イメージとして自分の身体側に巻き込むようにボールが曲がったらドロー/フック/チーピン、自分の身体から離れていく方向にボールが飛んだらフェード/スライスと思ってください。
打ち出し角も影響します。こちらも縦方向の打ち出し角と、横方向の打ち出し角があります。縦方向の打ち出し角は、使用するクラブのロフト角と呼ばれるヘッドのフェース面(ボールを直接打つ面)の角度と、そのクラブを上から打ち込むか下から払い打つかによってだいたい決まります。ウェッジというクラブでは意図してフェース面を開いて、ロフト角を寝かして打つ技術もあります。
左右の打ち出し角は自分がドローボールを打つ人であれば、身体を開いて打つ事になります。フェードボールを打つ人は身体を閉じて打ちます。右打ちの人だとドローなら右側に、フェードなら左側に打ち出す事になります。このとき、予想よりも角度が付いてしまった場合は、右打ちの人が右に打ってしまうとプッシュアウト、左に打ってしまうと引っ掛けというミスになります。
あと最後に一番影響が大きいのが風です。横風が強いとボールが簡単にコース外に持っていかれますし、向かい風(アゲンスト)が強いと全然ボールが飛びませんし、追い風(フォロー)が強いととんでもなく飛んでしかもボールが転がりまくります。ゴルフをする人なら、名前ぐらいは知ってる有名なペブルビーチゴルフリンクスの Par3 Hole.7 は、距離が 109yds ですが、アゲンストが強い時は 150yds 飛ばすつもりで打たないと乗りません。それぐらいボールに影響を与えます。
Nikon
2021-06-18
※距離が分からなければ正しいショットも意味がありません。これは欲しい!
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- ボールを地面から打つ
ゴルフは最初の1打目はティーアップという状態で、地面から浮かせて打つ事が許されていますが、2打目以降は基本はあるがまま打ちます。そのため、地面の様子はいろいろです。ゴルフゲームでもよくありますが、これがライの状態というヤツです。フェアウェイから打つ際は、ヘッドとボールが綺麗にコンタクトできますので、理想的な飛び方をしますが、それ以外のライの場合は初速やスピン量に影響を与えます。まずラフと呼ばれる芝が少し長い場所では、ボールとヘッドの間に芝の葉や茎が挟まります。クラブヘッドにはスピン量をコントロールするための溝が掘られていますが、ボールとの間に芝が挟まると、この溝がボールを捉えなくなります。すると、ボールは設計よりバックスピンがかかっていない状態で打ち出されます。これをフライヤーと呼びます。このフライヤーになると +10yds ~ +20yds も飛んでしまいます。
バンカーという砂地から打つ場合、その砂質によって打ち方が変わります。砂がサラッサラで柔らかい場合は、エクスプロージョンと呼ばれる、ボールの手前からヘッドを砂に差し込んで、砂の爆発力を利用して砂と一緒にボールを打つテクニックを使います。当然、飛距離は出ません。飛ばせたとしてもせいぜい 50yds からゴリラな人でも 100yds です。
砂質が固い場合は上手く打てば地面(ベアグラウンド)やフェアウェイから打つのと大差ないです。但し、少しでもボールの手前の地面(砂地)を叩いてしまうと、ヘッドが地面からはじき返されて、トップと呼ばれるボールの上っ面を打つミスを起こしてしまいます。これをするとボールがバンカーから出ないか、その先のラフにころころと止まってしまう事になります。
- ボールがバウンドして転がる
ボールが地面に衝突します。ゴルフゲームだとだいたいが綺麗に跳ねますよね。あんな挙動は実際には希だと思ってください。芝生で減速します。その芝生の下にある地面が固い場合はゲームのような跳ね方もしますが、雨の後とかで地面が柔らかい場合は、衝撃が吸収されて弾みません。最悪、ボールが地面にドスッと突き刺さる事すらあります。
突き刺さると言えば、バンカーに高いボールが入ると突き刺さります。その状態を目玉と呼びますが、ボールの下を打ちにくいのでアマチュアには難易度の高い次打が要求されます。
ボールにはバックスピンがかかっていると先に説明していますが、100ydsぐらいの近くからグリーンに向けてショットすると、6000rpm ~ 10000rpm というかなりの高回転がかかります。この回転力でグリーンに直弾すると、数回バウンドした後で、ボールが手前に戻ります。これがバックスピンです。ゲームではいとも簡単に出ますが、実際にはアマチュアにはなかなか出せません。
そして、このバックスピンですが、ボールのサイドスピンで真後ろではなく横方向に戻る事があります。右打席の場合で説明しますが、フック回転が強ければ左に、スライス回転が強いと右に戻ります。プロの選手がサイドスピンをかけてアプローチすると、殆ど真横に戻る事すらあります。
グリーン上で転がる場合は、ゲームでよくある傾斜以外の要素として芝目があります。富士山、浅間山、樽前山等の麓にあるゴルフ場だと、常に山から吹き下ろす風によって、芝がその風に流されて一定方向に伸びて育ちます。グリーン面が白っぽく見えると順目、黒っぽく見えると逆目となります。順目だと転がりが強くなかなか止まりません。逆目だと抵抗が増えるのでボールが止まりやすくなります。
芝目は山以外では海沿いのコースでも固定方向に付く事があります。所謂海風です。海風と言えば、空気に塩が乗っているので、飛距離は少し落ちますし、風の影響も強くなります。
とまあ、ゴルフを物理演算的な解釈で解説をしてみました。こんな事を考えてプレーしているのかって。はい、少なくとも私は考えています。だから、すらすらと文章が書けるわけです。ただ、残念ながら技術が伴わないので、思った通り打てないだけなんですよね(汗
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