PSソフトが 2,000タイトル近くになると、その置き場所に頭を悩ます事になります。パッケージがDVDケースサイズなので、かなりかさばってしまうんです。60cm幅の棚だと、1段に40個並ぶ計算なので、全てを収納するにはなんと50段も必要となってしまいます。4段で90cmと仮定すると、11mを超える高さになってしまう…。
このかさばるパッケージをケース収納平置きなんていう収納にはしたくなかったんです。見たい時に全部が見られる、そんな見える収納にしたい。でも、そのためには高さを8段としても、横に棚が 6.25個も並ぶ事になります。シリーズものは別の高に収納するなりしても、背の高い棚が6個。これでも3m60cmという壁が必要となってしまう。そこで考えたのが移動収納式壁棚です。
- スライド収納棚
Amazon で棚を検索していると、こんな棚を見つけました。
J-Supply
※ 既製品なので完成度は高いと思います。ただちょっとお値段が…
※ 既製品なので完成度は高いと思います。ただちょっとお値段が…
引き出し型で背の高い棚を、キャスターで動かして収納ボックスに格納する。これなら見たい時に見られるし、無用な日焼けを防止できるし、倒れる心配も少ないし、場所を取らないしと、自分の理想型がそこにありました。
これを買ってしまえば問題解決なんですが、いくつか自分的には問題が。
- スライドは6箇所必要なので二つ買う事になり軽く5万円オーバーと高い
- 現在使っている10本の高さ90cmのホムセンで買った既存棚が全て無駄になる
- 棚の内寸が低いのでDVDパッケージを収めると取り出しにくい
そこで思い立ったのが、既存の棚を自分で組み上げて、キャスター付きの土台に載せて、収納棚をこれまた大量に余るであろうLABRICOを使って作り付ければ、費用を抑えて自分が欲しい棚が作れるのでは無いかと。この思いを実行に移してみました。
※ この突っ張り柱はDIYの革命でした。私はこのLABRICOを使って様々な設置型家具を作っています。- 基本設計
最初は3Dモデラーを使って緻密に設計していたんですが、既存の棚のサイズが意外とバラバラで、ちょっと事前に確実なサイズを決めておく事が困難である事が分かりました。あと、9本ある既存の棚のうち、最初から上下接続しているLOWYAの棚(販売終了品)が、転倒防止のため下の板が出っ張っていて、自分の棚として改造するのは厳しい事が分かりました。
そのため、共通のキャスター付きの土台だけを用意して、その土台の上に既存の棚を載せる形で実装する事にしました。そして、1基は完全スクラッチで新規作成することにもしました。これは、アパートで自作した卓上の棚板がいくつか余るので、それを流用すればそこまで値段が高くなる事もないだろうという判断です。また、最近のホムセンの本棚はとても華奢な作りなので、今回のような使い方には強度が不足する可能性が高いというのも、完全自作を決めた理由でもあります。
共通土台は奥行き60cm。これは棚の幅が60cmだからそのように決めました。幅は35~38cm。これは既存の棚の奥行がまちまちだったので、それにある程度合わせる事にしたためです。棚の重さが4段でソフト満載状態で、凡そ30kg。それを4つ重ねるので120kg。安全を見て重量を150kgで計算します。移動用のキャスターは150kgを受けなければならないです。また、床面に優しい素材である必要もあります。
※ この重量は、我が家の床面がベーベル板なので重量に耐えますが、通常はかなり厳しい重量です。
※ この重量は、我が家の床面がベーベル板なので重量に耐えますが、通常はかなり厳しい重量です。
この条件を満たすキャスターを探して、唯一見つかったのがハンマーキャスター 405P ウレタンタイプです。
※ このシリーズはとても素晴らしいキャスターです。種類がとてもたくさんあるので、自分のニーズに合った製品を探すのは大変ですが(苦笑このキャスターの耐荷重は1つで30kgf。そのため、土台の下に6基設置すれば、加重を問題なく受け止める事が出来るはずです。また土台はかなりの重量がかかるため、2×4 SPF材を組み合わせて作成する事にしました。
- 土台を組み上げる
2×4 SPF材を 600mm 2本と 265mm 2本に切り出します。これを組み合わせて、340mm×600mm サイズの土台とするためです。ダボ穴の位置がズレないように、どの木材がどこに繋がるかの印をペンで書きました。

そして、短い方の材木に適当な位置に 8mm径の木工ドリルで穴を2つ開けます。この穴の位置は本当に適当で、全てバラバラの方が好ましいです。理由は違う位置に間違ってダボ接続してしまう事故を防ぐためです。

そして、短い方の材木に適当な位置に 8mm径の木工ドリルで穴を2つ開けます。この穴の位置は本当に適当で、全てバラバラの方が好ましいです。理由は違う位置に間違ってダボ接続してしまう事故を防ぐためです。

開けたダボ穴に治具をはめ込んで、平坦な場所で本来接続する木材を押さえ込むと、相手の木材に対となるダボ位置の凹みが付きますので、その位置に 8mm径のダボ穴を開けます。ダボ穴にたっぷり木工接着剤を流し込み、接続面にも接着剤を付けたら、ダボ木を入れて上からグググッと押さえつけます。

小一時間ほどである程度接着されますので、内側にL金具を釘打ちで固定します。以前はここに木ネジとしてたんですが、釘の方が仕上がりが綺麗ですね…。
ダボ穴を綺麗に開けるために、木工用のドリルを新規に購入しています。
※ 切りくずが鉋屑みたいに出てくるので、このドリルはなかなか良かったです。- 既存棚を積み上げる
下段は棚の裏側から、細いドリルで下穴を開けた後に、棚を背合わせとして木ネジで固定します。下段と上段の接続はダボ穴を開けて、ダボ木で接続です。既製品の棚に微妙に歪みがあるのか、綺麗に背合わせになりませんでしたので、ステーにより強制的に繋ぎ合わせています。

実は一番最初に作った(試作)土台は、重さに耐えきれず傾いて棚全体が傾いてしまいました。これは、金具での接続だけでしたが、その金具と木材との隙間が傾きの原因になってしまったようでした。そのため、一旦バラしてダボ木+内側L金具方式に変更して、傾きは抑えられました。この傾きが出た時は本当に焦りました…。

ドリルもこのためにマキタのインパクトドライバーに買い換えています。
※ 流石はマキタ、使いやすくて感激します!このセットはお値打ちだと思います。- フルスクラッチで棚を作る
3基のスライド棚のうち、1基はフルスクラッチで作ります。棚板は奥行を考えて 1×8 SPF 材を基準とします。この板は 19mm×184mm となります。なるべく切断する作業を減らしたかったので、木材販売時の長さをなるべく生かせるように、棚の高さを 1820mm としました。上下から蓋をするカタチとして、内棚は2×4 SPF 材の 19mm を減らした 562mm 7枚で考えます。

すると1段の高さは (1820-19×7)÷8 ≓ 210mm なので、210mm 毎に棚の位置をペンで印を付けて、2×4定規で水平垂直線を引きました。
※ 2×4 SPF材扱うなら必須ですねー内棚の板は棚の柱と同じく 1×8 SPF 材としたかったのですが、手元に 1×6 SPF 材や 1×4 SPF 材があったので、1×6+1×4+1×6 = 1×16 としました。この配置だと、真ん中に 1×4 がきますので、2枚合わせた 1×8 を繋ぎ合わせる動作もして、とても都合が良かったのです。
材木を切り出して、1820mm の柱となる位置を 4枚、上下の外棚板を 2枚、内棚板を 7枚用意しました。この切り出しには、カッティングガイドとマキタのジャグジーも新規購入して作業しました。なんやかやと木工電動工具を買ってしまったので、当初の目的である安くという部分は蔑ろになってしまいましたが…
※ 1m近い大きさでクランプできるのはなかなか使いやすくて最高です!※ パワーはあります。でも、大事なのは切り刃ですねぇ。インパクトドライバーのバッテリーが流用できるので、結果安上がりでは無いかと。
実はジグソーを買う際に、その他の電動工具とでかなり悩みました。カッティングガイドを使えば丸鋸並みの直線切りが出来ると判断した事、レシプロソーだとそもそも真っ直ぐ切断するのが難しかった事、ジグソーだといろんな切断が出来るので応用の幅が広かった事などでジグソーにしました。マルチツールも考えたのですが、こちらはやはり直線的な切断は難しいという判断です。最後まで悩んだのは丸鋸でした…。

さて、棚の組み上げですが、最初にど真ん中の内棚をネジ止めした後に、上下の外棚板を接続して全体のカタチを決めた後に、内棚を一つずつネジ止めしていきました。内棚が少ない時は、棚が簡単に菱形崩壊しそうだったんですが、内棚を全てネジ止めしたらねかなり安定しました…が、それでも少し心許なかったので、余った板を2枚、最下段と下から2段目に、立ててネジ止めする事で筋交いと同じ効果として、完全に安定させています。

- PS2ソフトを入れてみる
出来たスライド棚にソフトを全部収めてみました。ソフトを入れるほどに荷重がかかり、どんどんとスライド棚全体が安定していきました。全て格納した状態だと流石に少し重いのですが、それでもスルスルっと動かせますので、大成功と言えるのではないでしょうか。


時間とお金が足りなかったので、格納基地は今回は作れませんでした。こちらは 2300mm の 2×4 SPF 材が 4本柱として要ります。うちの 3本は現在アパート側で使用している材木になるのですが、これを切断せずに運ぶにはハイエースが必要なので、作成するのは来年春頃になります。なので細かい検証は来年ですねー

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