私が使用している Xperia XZ1 はとっくにメーカーサポートが打ち切られて、現在は Android 9 で止まっています。普通はこれでどうにもならないのですが、実はひとつだけ方法があります。それが XDA Developers にある ROM に換装する事です。本記事執筆時点 2022/11/21 では Xperia XZ1 は LineageOS 19.1 UNOFFICIAL - 1.5 というのが、最も無難な ROM で、これに書き換える事で最新 OS に近い Android 12.1 にすることが出来ます。
既に状態は Status:Stable と安定しているようです。ただ、いくつかの問題が。
- キャリア及びメーカー保証が消える
自分の手でスマホを壊した扱いになります。ゲーム機で言えば、物理的に筐体を開けてしまった状態と同じです。こうなるとメーカーは少なくとも無償では修理対応をしなくなります。下手すると、有償でも断られるかも。Xperia は廉価版でもそうそう安いとは言えない金額ですから、修理さえ断られる事態になったらかなり厳しいですよね。
ROM 書き換えを決断するとしたら、新型機が手元にあり壊れても良い端末ならば…という感じでしょうか。
- 書き換えには専門知識が必要
通常、スマホはハッキング防止処理が施してあり、任意に内容の書き換えは出来ません。ですが、サポートが停止した端末には往々にしてセキュリティホールが残っています。「敵」からも狙われる可能性があるセキュルティホールですが、それを自ら利用して、ハッキング防止の「壁」を打ち破り内容を書き換えます。
※ ブートローダーアンロックの場合はちょっと意味合いが変わりますが…
※ ブートローダーアンロックの場合はちょっと意味合いが変わりますが…
スマホの内容書き換えでよくやる方法はリカバリ領域の書き換えですが、実は Xperia XZ1 はリカバリの書き換えは出来ません。そのため、Xperia XA1 では FOTAkernelの領域にTWRPを焼いて利用する事になります。TWRP は Team Win Recovery Project の略です。Android 専用です。FOTA 領域を壊すので OTAアップデートは出来なくなります。まあ、サポートが止まった端末なので、もう壊しても問題ないと自分なら思ってしまいますが、それはご自分で判断してください。
- カメラ性能が劣化する(かも)
以前、Xperia の ROM 書き換えを行った際に、カメラの機能が制限された事があります。SONY は自社のカメラのドライバ部分を機密扱いとして、中身を抜けるハッキングを行うと、その専用のカメラドライバを消去して汎用ドライバに置き換える…と聞いた事があります。今でもその処理が入っているとしたら、カメラ性能が落ちる事は十分考えられます。
※ おそらく…ですが、DRM を監視しているんじゃないですかね。
個人的にはデジカメは別途専用品を買いたいな、とは思っています。デジカメは安いのから高いのまで、本当に様々な商品が出ているので、どれにしようかと悩みながら、買わずにここまで来ていたりします。そして…、もうあまり新製品が出ていない分野でもあるんですよね…。
ソニー(SONY)
※ もうかなり長い間新製品が出ていません。枯れた技術のままですが、光学30倍レンズはかなり魅力ですね。
※ もうかなり長い間新製品が出ていません。枯れた技術のままですが、光学30倍レンズはかなり魅力ですね。
- ROM 書き換えに失敗して文鎮化または不安定になるかも
これ、経験あります。文鎮化とは、ボタンを押してもうんともすんとも言わなくなって、文字通り置物になり文鎮としてしか使い道がなくなる状態を指します。往々にして、XDA Developers での ROM開発者は日本人では無いため、日本語環境下では文字化けしたり、不安定になったりというのも以前はよくある話でした。
書き換えの失敗は、ROM の取り違え、ハッキングの失敗、焼きミス等が原因で起こります。殆どが ROMを焼く際の注意不足や知識不足に起因します。ごく希に、ROM そのものに問題がある事もあります。その ROM の入手経路も注意しないと、ウィルスっぽいモノが内包されている危険性もあります。
検索結果に頼らず、XDA Developers のサイトに直接飛んで、そこから目的の ROM 置き場まで追いかけるのが最も安全だと思います。
- ヤバイアプリに捕まるかも
上記の ROM にセキュリティ的に問題がある場合に加えて、インストールするアプリにも注意が必要です。ROM は最初は何もない状態ですので、Google の最低限のアプリは別途インストールが必要です。ストアもないのでアプリのインストールも出来ないですしね。そこで ROM焼きに続いて TWRP で焼くのが Open GASSP です。
この gapps は Google の汎用的なアプリをまとめて焼く事が出来る pkg です。Platform は殆どの場合は ARM64 でしょうか。Android バージョンも合わせたいですが、2022/11/21 現在、残念ながら Andoird 12 用のパッケージは用意されていませんので、一番近い 11.0 を焼きます。バージョンが違うので、必要最低限のインストールにしたいので、Variant は pico ぐらいに抑えてしまいます。
ここまではまあ、上記の場所からパッケージを落とせばヤバイアプリに捕まる事は少ないのですが、そこから先です。LineageOS はルートを獲る事が容易です。そのため、普通の端末では動かす事が出来ない、全ての読み書き権限を有するルートアプリが動かせます。一応、ルート権限確認もありますが、名前を偽装したりでなんとかしてルート権限を獲ろうとします。
この権限を獲ったが最後、その端末に何をされるかは全く分かりません。遠隔でカメラを起動して覗かれるとか、盗聴されるとか、端末内の情報は全て抜かれたり。それはパスワードであろうが、クレカ番号であろうが、中に入ってる情報なら根こそぎです。あるいは、その端末を踏み台にして犯罪に使われるかもしれません。
このように ROM を書き換える行為は、スマホ端末をより厳格に扱わねば危ないという事をご理解頂けたでしょうか。
- 自己責任
実は最近は比較的簡単に ROM書き換えができるみたいです。それもありますし、私も責任は取れないので、具体的な ROM書き換え方法は本ブログでは記載いたしません。実際、私はもう何年も ROM書き換えしていないので、間違っているかもしれませんし、皆さんの端末が動かなくなっても責任は取れませんし。
※ なので実は本当に危なくて楽しい事はここには書いてません。
そう、全ては事故自己責任なのです。ROM 書き換えの結果について、全ての責任は自分自身にあります。壊れても泣かない事です。誰も恨まない事です。この世に文鎮化の責任があるとすれば、それは書き換えようと思ったあなたの心です(苦笑
最後に、分かるようで実は全然分からない ROM 書き換え手順を最後に書きます。
- 自分の端末にあった LineageOS、TWRP、gapps を手に入れる
- Bootloader を Unlock する
- FOTA領域に TWRP を焼く
- スマホ本体の内蔵SDに LineageOS と gapps をコピーする
- TWRP から LineageOS と gapps を焼く
- LineageOS が起動したらストアから必要なアプリをインストールする
※ 驚異の光学60倍なのに意外と安い!先のSONYのデジカメとほぼ同じ価格なのは凄いです。このサイズの持ち運びに抵抗がなければこれは性能的にとても素晴らしいです。旅行に行くならこれを持ち歩きたいですね。欲しいわ…
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