皆さんが時々目にする原価とは一体何なんでしょうか。私の理解の範囲で今回は説明していきたいと思います。まずいきなり答えから書いてしまいますが、原価とは固定費と変動費で決まります。固定費とは、仮に一本も売れなくても費用として計上するモノです。そして、変動費とは1本毎にかかる必要となります。
皆さんがなんとなく原価原価と言っているのは、この変動費の内の材料費だけをイメージしていることが多いです。DVDの原価なんて 100円やんかーってのは、DVDの材料費だけです。DVD が如何にして作られたかとか、そもそも売り手の利益分が含まれていません。今回はそれを説明していきたいと思います。
なお、ここでの原価はかなり噛み砕いて説明していますので、厳密には違う箇所があります。まあ、読み物として流して頂ければ幸いです。
- 固定費の計算方法
固定費 = 材料費 + 人件費 + 諸経費 + 技術料
これが私の固定費のイメージです。ゲーム開発だとこの原価はデベロッパー取り分になりますが、卸し金額にはここに儲け分を上乗せします。じゃないと、時間だけ掛けて何やってるのか分からなくなりますから。
さて、ゲーム開発の場合に限ってみていくと、材料費というのはかなり低くなります。何しろPCや開発機を買うぐらいですからね。とはいえ、個人だとコンシューマ開発に手を出した瞬間に、ここが一気に膨らみます。具体的な数字は言いませんが、何しろ結構お高いんです。ただ、売れた本数で均等割するので、たくさん売れると見込めるのであれば、ここは安くなります、
開発機の値段が仮に100万円だとしましょう。1,000本は売れる(1,000本しか売れない)と計算した場合は、材料費として 1,000,000÷1,000 = 1,000円となります。ところが 1万本は売れると試算した場合は、材料費は 1/10 の 100円になります。全然違いますよね。個人の場合はなかなか最初に1万本とか設定できないです、1,000本も設定するのは難しいかもです。せいぜい 200本と試算したら材料費の原価は 5,000円です。だからとてもじゃないですが、個人でコンシューマには手が出しづらいのです、まあ開発機の値段が 10万円なら、1/10 になりますから、この辺りはメーカーの思惑次第にはなってしまいます。
人件費はゲーム制作では一番高いです。というか殆どと言って良いかもしれません。会社の場合は「担当者の給料×凡そ2倍+etc」です。etcに何が含まれるかって?はっはっはっ、それぞれの会社によって異なるので私は知りません(ことにしますw)。凡そ2倍にしているのは税金とか福利厚生とか税金とか税金とか税金です。これを人月費用と言ってます。開発に1年3名かかるとしたら、仮に全員が同じ単価だとして、1人辺りの費用×開発人数×開発月数がかかることになります。これが人月計算です。一人辺り仮に 50万円だとしてやっすいなー、500,000円×12ヶ月×3名 = 1800万円です。たった3名、一人辺りの単価は格安で、1年でこれだけかかるのがゲーム開発です。大規模開発だと凄いことになるのは分かりますよね?
1800万円人件費がかかったとして、1,000本だとしたら、原価は 18,000,000円÷1,000 = 18,000円です…はうあ、材料費と合わせると 2万円近くなってしまいました。販売本数が見込めないソフトウェア開発のお値段が高くなる理由が分かって頂けますでしょうか。これだけかかっても、もし販売本数が 10万本見込めるのであれば、人件費は1本辺り180円です。これはもはやギャンブルですよね…。
諸経費はビルの管理費とか、水道光熱費とか、取材費とか、移動費とか、出張費とか、諸々です。私の知ってる多くの会社では、プロジェクト数とか関わる人数とかで単純に按分していることが多かったです。なお、現在の所属会社であるM2の計算はマジで知らないです。だからこの計算かもしれませんし、違うかもしれません。経費計算していないかもしれまsうわなにをすr
最後に技術料です。まあ、これはそのまま人件費で補ってて専用で項目を入れることは少ないのかもしれません。例えば、とある開発でどうしてもこの担当者じゃないと開発できないが、その人を引っ張ってくるのにお金がかかったとか、通常は単価固定ですが、クライアントさんから誰々さんに担当して欲しいと指名があったときとかに追加したりします。まあ、どっかの飲み屋の指名料みたいなものが一番近いのかもしれません。
究極タイガーヘリ - PS4
M2ショットトリガーズで個人的に気になっているゲーム。理由?それは自機がヘリコプターのゲームにハズレは無いってことさね(異論は認めるw)
- 変動費の計算方法
変動費とは製品を出荷すればするほど増える費用です。パッケージソフトの場合は、製造費が分かりやすいと思います。パッケージの物理的な費用に加えて、マニュアルなどの紙類や、箱詰め作業(アッセンブル)、あるいは製造業者に対する支払いなどがこれに当たります。最初は売れなくても製造するのではありますが、売れれば売れるほど再生産することになりますので、どんどん変動費がかさんでいくことになります。
また、広告宣伝費も考えように依っては変動費と言えなくもありません。広告を打てば打つほど、費用が増えていくためです。最初にどかんと広告を打つだけなら固定費換算です。まあ、この辺りは私の知る限りは、厳密な区分分けはあるようでないので、どう計算していくのかは各企業や個人の判断に委ねられる部分でもあったりします。但し、税務署が納得する必要はありますが…。
そして、一見すると変動費があまりかからないように見えるダウンロードコンテンツでも、それなりに費用がかかります。コンシューマですとメーカーに支払う製造費ですお布施とも言uうわなにをすr。ダウンロードコンテンツなのに製造費と怪訝に思う人もいるかもしれませんが、ダウンロードする環境を維持するためにサーバー管理費がかかります。サーバーの管理には人件費や電気代等がかかります。定期的に HDD を交換するための設備費だってかかります。サーバー管理費は意外と馬鹿にできないぐらい高いです。何しろ販売やサービスを継続している限りは、ずーっとサーバー管理費を支払い続けなくてはいけないためです。その間、全く売上が上がらなかったと思うと、かなりぞっとしますよね。
とまあ、勢いで原価について書いてみました。過不足とか間違っている部分もあるかと思いますが、こんなん原価なら安いやんかーって叫ぶ人たちに、だったら自分で作ってみなーって言う人がいるのは、本来の原価とはこれだけいろいろなものがのしかかっているということを理解してほしかったです。
そして、最後にいちばん大事なことを付け加えますが、
販売価格 = 原価 + 利益
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