なかなか良くできたスイカゲーム系のwebコンテンツがありました。ただ、ちょっとばかり違法な感じでしたが、やっぱり先日webから消え去りました。作者は元ゲームが大好きだったんだろう事はよく分かったのですが、一線を超えてしまったからには、権利保持者からは注意喚起が飛んだのだろうと思われます。では、ちょっとここで思いつくままに、著作権と契約について書き連ねたいと思います。
なお、今現在の厳密な著作権の内容と、私が知っている内容に齟齬が生じている可能性は否めないのでそこはご容赦ください。厳密な内容を求める場合は、下記のリンクを参照してください。
- 著作権
簡単に言いきってしまえば、これは法律です。国際条約により各国で共通に保護されています。だから絶対的に守らなければならないのです。著作権には大きく著作者人格権と著作財産権の2種類があります。総じて著作権と言えば、財産権を指します。人格権と財産権の違いは、著作者だけが持つ権利が人格権で、利益に関わる権利が財産権です。よくゲームとかに ©2023 NAITO Tokihiro 等と書いてありますが、あれは著作権の所在を示しています。
※ 稀に発売先が権利保護代行で©を記載していることもあります。
※ 稀に発売先が権利保護代行で©を記載していることもあります。
著作者人格権でいう人には、個人と法人があります。メーカーが作るとだいたいが法人著作物となります。個人が作ったものは、その制作者本人がそのまま権利者となります。この権利は自動で発生しますので、宣言する必要はありません。世の中に発表した初年度が著作年度となります。
人格権は、公表、著作権表記の表示、そして自分に意図せず勝手に改変されない権利を有しています。だから、MOD やパッチ当てというのは、実は著作権侵害行為だったりします。つまりは厳密には全て法律違反なんです。※例外規定はあります。
- 契約
人格権は人に譲ることは出来ません。例えば、発売元が開発元にゲームの制作を依頼します。開発元が個人のプログラマに開発を依頼したとします。すると、著作者人格権は、個人のプログラマに自動で発生します(正社員を除く)。これは例えば私がフリーのプログラマだったとして、エムツーから開発を依頼されて納品したとして、そこに ©NAITO と入れてくれと言うと、これは法律で保証された権利なので抗うことが出来ないのです。そして、人格権は売ったり移動したりも出来ません。これは発売元としては大変都合が悪いですよね?
そこで、ほぼ100%、個人開発者は開発依頼元と請負契約締結の際に、条項として「著作者人格権を行使しない」事を明記します。これにより、開発者は勝手に内容変えんなしとは言いませんし、著作権利者として名前を載せろとも言いませんと契約します。契約と法律はどちらが強いかと言えば法律です。だから、契約したからと言って、著作者人格権を行使しようと思えば出来ます。出来ますが、今度は契約不履行で訴えられます。簡単に言うと信用をなくします。個人が信用をなくしたらお終いですよね…。
ただ、開発依頼元としては、そんなギスギスした関係は、やっぱり今後の信頼関係維持のためにも避けたいので、感謝の気持ちとしてスタッフクレジットに名前を掲載していたりするわけです。長々と続くスタッフロールの一人一人に対して、同様に感謝の気持ちを表しているんです。
- 訴訟
販売元、開発元、個人開発者という目線でお話をしてきました。最後に第三者が著作権侵害をした場合について触れておきます。法律を 100%厳守という意味では、著作権者に何の断りもなく、当該権利物を扱った時点で有罪です(一部限定的な範囲で例外はあります)。ただ、権利保持者側としてはそれが大好きで扱ってくれたのですしと、大目に見ています(と私は思っています)。この大目に見てくれる限度を超えてしまうと、流石に注意勧告を受けます。私はこれをボーダーラインと勝手に呼んでいます。
ボーダーラインはどの辺りにあるのかは、著作権者の意向次第です。だから 100%の線引きなんてあり得ません。私が 2023年11月現在で感じている、自分のゲームに他者の権利素材を使ってしまった場合のボーダーラインですが、肌感で言えば…
😍 開発中
😆 開発をSNS等で公表
😥 制作物を動画で公開
😖 webに公開・配布
💩 実際に発売
これを守ったからと言って絶対に訴訟されないわけではない点はご注意ください。以前は動画で配信も禁止扱いだったんですが、今は多くの場合で黙認されています。これは youtuber による宣伝広告効果が認知されてきたり、eスポーツ普及の影響もあるのだろうとは思っています。
例のあのゲームは、この一線を超えてしまったんですね。なお、程度が軽い場合は注意勧告だけで収まることは多いですが、発売までして実際にやっちまった人が利益を得ている場合は、注意勧告だけではなく今後のお話まで進むと思います。注意勧告に従わない場合は、訴訟されてある日突然裁判所から呼び出しを食らうなんてことがあるかもです。こんなつまらない事で、人生棒に振りたくないですよね…
※ 今一番大注目のワイドモニタ。この値段でこの解像度でリフレッシュレートも144Hzとかなり高い。素晴らしいという言葉以外見つかりません!
2023/11/12 07:10追記
あー、あと、個人が使用許諾のお伺いを立てると、100% 拒絶されると思ってください。そして、お伺いを立てたが最後、黙認は出来なくなります。MDダライアスは元は個人が作ってはいますが、発売までこぎつけたのは、その個人制作版をベースにエムツーが作り直した別物になっています。それをメガドラミニに収録、その後さらに改良してカートリッジ版を発売しています。そのため、これは個人の力ではなく、メーカー間の信頼と努力と、それが大好きという感情が強く関わったからであり、あれはある種の奇跡なのです。それをお間違えのないようにお願いします。
※ 今一番大注目のワイドモニタ。この値段でこの解像度でリフレッシュレートも144Hzとかなり高い。素晴らしいという言葉以外見つかりません!
2023/11/12 07:10追記
あー、あと、個人が使用許諾のお伺いを立てると、100% 拒絶されると思ってください。そして、お伺いを立てたが最後、黙認は出来なくなります。MDダライアスは元は個人が作ってはいますが、発売までこぎつけたのは、その個人制作版をベースにエムツーが作り直した別物になっています。それをメガドラミニに収録、その後さらに改良してカートリッジ版を発売しています。そのため、これは個人の力ではなく、メーカー間の信頼と努力と、それが大好きという感情が強く関わったからであり、あれはある種の奇跡なのです。それをお間違えのないようにお願いします。
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