前回、断熱内窓を2Fトイレと玄関窓に対して作成しました。



今回はそのノウハウを活かして、いよいよ今回最も断熱したかった階段室の窓に、DIY で内窓を設置します。この階段室の窓は縦に 1870mm も長いという、とても困った構造なので、少々作り上げるのに気合が必要でした。はたして!? ^^;


  • 計測と設計
階段室内窓サイズメモ



階段室の窓は幅が 410、高さが 1870 という結構な縦長構造となっています。角材や中空ポリカ板は、最大長さが 1820 しかありません。取り付け長さ 10 を考慮しても、普通に作ると 1848 が最大長さになってしまいます。パッキンの高さを考慮しても、10 高さが足りないのです。たかが 10mm、されど 10mm。この高さを埋めるパッキンはちょっと考えにくいので、やはりなんとしてもフレームの嵩上げが必要になります。

そこで下のフレームを角材2段重ねとすることで、この問題を解決することにしました。この接合にはダボ木を使うつもりです。接着剤だけだと弱すぎですし、ネジだと割れる怖さもあります。幸い、割れにくい竹用ドリルがあるので、これでダボ穴を開けようかと。

しかし、縦に長いですよね。ここまで長いと、たぶん角材が反ります。とりあえず、問題解決する方法が思いつかなかったので、パッキンで誤魔化せる範囲で済めばと神頼みで作ってみました。

  • 材料の切り出し
まずは角材を切り出します。必要な長さは 348 が 1本、396 が 2本、そして 1810 が 2本です。手持ちには 1820 の角材が2本と 910 が 1本。それと端材多数。910 と端材から、348 と 396 を 2本切り出しました。
上下のフレームを切り出した
写真で見ても、もう最初から反り返ってますね…。大丈夫なのかと疑問に思いつつ、作業を進めていきます。続いて、348 と 396 をセンターで上下に接続します。上下接続はダボで行うため。まずはダボ穴を開けていきます。溝側に穴を開けるのと、この角材は割れやすいので、竹用ドリル 3mm、5mm と穴を広げてから、最後に 8mm ドリルで穴を開ける作戦に。
ドリル3兄弟
ところが 3mm から 5mm は問題なかったのですが、その後に 8mm を使ったところ、センターが暴れてまともに穴が開けられませんでした。3mm からいきなり 8mm だと綺麗に開きます。こういうところも経験なんだなあと…。あと、最初に見えなくなるところでテストしたのも良かったかなと。こうしてノウハウが溜まっていきます。

8mm ドリルでの穴開けですが、溝まで完全に貫通してしまうと、中空ポリカ板を入れる際の障害になってしまうので、今回は新たにドリルストッパーなる新兵器を導入しました。これで 15mm で確実にドリルを停止させます。
SK11 ドリルストッパー 木工用 8mm
SK11(エスケー11)
※ 位置決めが少し面倒ですが、その後は穴の開け過ぎを気にせず、ガンガンと穴を開けていけるのでなかなか良かったです。
値段も 300円ちょっととお安いです。もっと速く買っておけば良かったなと後悔w いつものようにダボマーカーを使って、位置決めして、ポンチでアタリをつけてドリルでダボ穴を掘ります。慣れた作業です。あとは、たっぷり木工ボンドを付けて上下のフレームを固着させます。
ダボ木で上下を固定
続いて中空ポリカ板も切り出します。フレーム裏側に貼り付けるのは、長さがそのままなので、先に幅 394mm で切ってしまいます。続いて、フレーム内に収める幅である 368mm でカット。368mm のは、長さを 1806 に更に切ります。
中空ポリカ板を3枚におろす

  • 組み立て
これで材料の切り出しは完了したので、続いて仮組みです。…と、ここで問題が発覚。なんと慎重に位置決めをしたはずの、下部フレームの上下固着が左右にズレていたのです。
なぜか激しく誤差が…
写真、少しピンポケで失礼。この誤差はちょっとあり得ないですよね。どうしてこうなったのかと考えたところ、可能性としては裏表逆に付けてしまったのではないかと。そうならないように、気をつけてはいたはずですが、そういえば一度フレームが机から落ちたなと。あの時、裏表をあまり確認しなかったような…^^;
※こういう事件があると、自分で溝掘りが出来ると良いなあって思ってしまいます。溝掘りはトリマーという電動工具を使います。これは安物なので、物によっては軸が斜めってたりで、ぴったりサイズの溝が堀れない可能性はあったりします。
とにかく修正します。ここまで誤差が出てると、パテ埋めでどうにか出来るレベルを超えています。そこで、この場所に接ぎ木をしてから、改めて正しい長さで切り落とすことにしました。まずは接ぎ木から。
接ぎ木して
鉛筆のラインが切り出し位置です。物凄く違っているのがよく分かりますよね。速乾性木工ボンドでくっつけてから、木工鋸でゆっくり切り出します。
つじつまを合わせた
隙間がまだ出来ちゃってますが、少なくとも長さは合いました。ボンドを流し込んで、クランクで抑え込んで、隙間をある程度閉じてから、最後にパテ埋めして納得することにします^^;
フレーム下部を固定
接着して抑え込んでいる写真です。実はこれでもまだ浮いてしまっていたので、斜め釘打ちで無理やり抑え込んでいたりします。こういう逃げ技ばっかり覚えてしまうのは、ちょっとまずい傾向ですよね…。さて、気を取り直して、続いてフレームの裏側にポリカ板を両面テープで貼ります。
2枚目のポリカ板を貼る
こちらは問題なく出来ました。長さが 10mm不足しているので、両面テープがはみ出してしまいましたが、まあ、うん、見えない位置だしもういいやと。なんかどんどん適当になっていく気がします😁。最後にハンドル設置です。窓の長さが縦長なので、ハンドル位置は今までは下から 150 だったんですが、今回は 200 に変更しました。まあ、気持ち程度の違いですけどw
ハンドルを取り付ける

  • 設置
階段室の内窓設置完了
階段室の窓はかなり高い位置にあります。気分的には 5m の高さがあるように見えます。このため、はしごを階段に設置して、登って内窓を付けるのですが、これがかなり怖いのです。とても写真を撮るような余裕がありませんでした。フレーム下には Dパッキン、左右と上にはフェルト隙間クッションです。これを付けると隙間にぴったり収まります。その後、窓の周囲をDパッキンで抑え込むと設置完了です。

写真では良い感じに写っていますが、右側のフレームがやっぱりかなり反ってまして、右上の角が数センチも奥まった位置になってしまいました。今のところはそれで済んでいるので様子見ですが、反りが大きくてぐらつくようであれば、危険ですので別の手を考えないといけなくなるかもです。

この階段室の内窓の効果はとても大きくて、いきなり 2F 廊下全体が暖かく感じられるようになりました。やはりこれだけ大きな開口部が断熱に無策で存在していると、かなり冷気が流れ込んできていたようです。これは内窓を付けて良かったなあと、心から思いましたデス。
※こういうスタイロフォームを窓の形に切って、カポッとはめ込む簡単対応でも断熱できます。採光が必要なければコレもありかと。1F壁際の窓は、これでそのうち潰そうと思ってます。

  • 端材でさらに断熱を
今回の内窓制作で、かなり長い端材が出来ました。この写真の真ん中の、細長い中空ポリカ板が端材です。
中空ポリカ板を3枚におろす
この端材をしげしげと眺めていたら、はたと気が付きました。この端材、玄関の側窓に使えるんじゃねぇのと。
玄関の側窓が寒い
この部分です。縦にひょろっと細長い形状です。計測してみたら、なんと横幅がそのまんまでジャストフィット!まさにここに使えと言わんばかりのサイズになっていました。

唯一、高さだけが少し長かったので、それを切り落とします。そして、枠に反って 3M の強力両面テープを貼り付けます。
両面テープを貼って
この側窓、深さがあるので、表面をポリカ板で塞ぐだけで、空気層が出来るので好都合でした。サクッと貼り付けて、こんな感じになりました。
空気断熱層を確保
黒い枠のように見える部分が 3M の両面テープです。簡単にくっつけただけですが、なかなか違和感なく作れたと思いますが如何でしょうか。
とりあえず、これで今冬の断熱内窓制作は終了の予定です。予想以上に効果が高くて驚きました。暖房費や、夏場の冷房費が安くなると嬉しいです。この制作に関わる材料や道具などは、こちらにまとめてありますので、宜しければ読んでやってください。皆さんの断熱内窓制作の参考になれば幸いです。