ローディング画面は、画面が長く停止してユーザーが不安に感じるのを防ぐのが主な役割となります。私の感覚的には画面停止が許されるのは2.5秒。2秒なら違和感なく待っててもらえるし、3秒だと長いと感じるのでローディング画面を出したい。但し、2.5秒に画面を出して、その0.5秒後に消えるのは逆効果で、この判断がとても難しい。自分は1.5秒でどこまで読んだか確認して、まだ読み込みが半分未満ならローディング画面を出すようにしています。今だとアイコン表示が主流ですね。

さて、このローディングですが、昔は数分単位でした。そして、ローディング中に画面に何かを出すのは、とても困難な時代でした。何しろ読み込みはカセットテープです。1バイト単位での読み込みルーチンがあったり、作れたりしたらローディングでアニメは作成可能でした…が、このローディング画面に凝ると、さらにロード時間が伸びるという "なんだそれ" みたいな事が起きます。

いくつか具体例を見ていきましょう。


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ZAXUS ©1985 宮田康宏 / ENIX

PC-8001のZAXUSは、ロードを3分割として、その途中にキー操作などの画面を挟んでいました。全ての実行バイナリサイズは26.4KBですが、その説明画面は1つ辺り3KBありました。データ圧縮はされていないので、そのままのデータだったと思います。これが途中に2つも挟んでいたため、トータルで32.4KBの読み込みになりました。20%ほど読み込みが遅くなっています。計算しやすく仮にロードが10分なら、それが12分に伸びます。でも、それでも10分間画面に何も無いよりは、何か出てくれたほうが良かったのです。
※ 流石にロード中にアニメはしてなかったです。


NewCITYHERO
New CITY HERO ©2022 内藤時浩 ©2018 Bomarn / Kaja

私が数年前に作成した Newシティヒーローというゲームも、ローディング画面があります。アニメもします。こちらは最近作成したのでデータ圧縮技法が使えましたのですが、それでも読み込みに12分かかっています。これは、8KBの拡張RAMに対応してるためで、折角圧縮してるのに、読み込むデータサイズが増大したので、全く読み込み時間の短縮には貢献していないという…。ただ、圧縮していなければ15分以上は確実にロード時間は掛かってるはずなので、かなり効果はあったと思います。

拙作のNewシティヒーローは条件付きで下記の場所で配布しています。




カセットテープの読込中にアニメではなく音楽を流したゲームがありました。それがPC-6001mk2のドアドアです。
DOORDOOR
DOORDOOR mkⅡ ©1984 中村光一 / ENIX

読み込みデータ内にタイトル画面データをスクランブルして混ぜ込み、音楽を流しながら、タイトル画面を作りながら、ゲームの本編データもロードするという、当時としてはあまりに画期的なことをいとも簡単に実装していました。これは凄かったです。そして、データの読込時間は2倍近く遅くなっていました…が、軽快な音楽によって、耳にタコが出来て楽しく待つことが出来ました。

今はOSがあり、BIOSがあり、SDKが用意され、マルチタクスも当たり前。ローディングはいつしか画面からアイコンに変わりました。ただ、画面全体が動くとかっこいいので、ローディング中もゲーム画面そのままに、裏でこっそりロードしてるのも多くなりました。記憶メディアに超高速SSDが前提になり、ユーザーが気が付かないうちに、瞬間的に次のデータが読み込まれるようにもなりました。

こうしていつしかローディング画面とか、アイコンとかってのは陳腐化してレガシー技術となっていくのでしょうね。ローディングアイコンを見ると、そんななんとなく懐かしいノスタルジーに浸ることが出来ます。みなさんはどう感じるのでしょうか?
※ 何かよく分からないけど面白そうw