義父の一周忌で大阪に行く必要があったんですが、運転する私も含めて乗員6名が必要だったので、レンタカーを借りていきました。このクルマが予想外に素晴らしかったので、私の愛車2019年式第3世代フィットと比較しながら話をしていきます。
※以下、写真はネットから拾ったものとなります。問題があれば対応いたしますので内藤までご連絡ください。
シエンタ2022フィット2019


  • 最初に動かすまで
借りたのは7名乗車の2022年式トヨタシエンタHEVです。実はHEVに乗るのは試乗を除外すると初めて。事前にトヨタのWebサイトで取説を読んでたので、すぐに使えると思ってたんですが、ブレーキを踏みながらスタートボタンを押してもエンジンが掛からない。何の音もしない。

うわあ、どうやって始動すれば良いんだーと、数分間悩んでしまいました。実際はHEVなのでエンジンは始動直後は掛からずで、静かすぎて全く動揺してしまった自分がいました。運転に慣れた後でよく見ると、電圧計の真ん中ら辺に READY と出てて、それが始動したということらしい。いやはや焦ったー^^;
始動


  • 初めてのHEV運転
走り出しもほぼ無音。よく聞くとかすかにモーター音が聞こえるぐらい。それよりよっぽどタイヤノイズのほうが聞こえる。いや、そのタイヤノイズも僅かで、比較すればっていう状態。フィットはガソリン車だから、スタートでエンジン始動で常にクルマは小刻みに揺れてるし、走り出しはエンジン回転数も上がるのですが、シエンタはエンジン回転数の代わりに電圧計が変化する。
※私が勝手に電圧計って言ってるだけで正式にはハイブリッドシステムインジケーターというらしいです。

走り始めにアクセルを踏みすぎなければ、EV走行からスタートします。そして、特筆すべきはエンジン性能…いや、モーター性能というべきか。うちのフィットは当然上り坂になると速度が落ちる。その当たり前をシエンタHEVではほとんど感じない。電圧計見てると、自動でモーター出力を調整してるようで、上りになるとメーターの針が勝手に跳ね上がります。急勾配にさしかかるとエンジン音も聞こえてくるとか、本当になんでも自動化されているんだなあと。

一言で言えば運転がラクだと感じました。



  • トヨタセーフティセンス
うちのフィットにもホンダセンシングが付いてるので、どうしてもその比較になってしまうのですが、いや、結論から言うとホンダの完敗です。トヨタセーフティセンスが欲しいとまで思ってしまいました。ホンダにはない機能として、サイドミラーにブラインドスポットモニターが付いていること。横に他車がいると、黄色く光って教えてくれます。これは本当に有り難い。シエンタのようなずんぐりむっくりな車体だと、特にそう感じました。
BSM
次にクルーズコントロール(以下ACCと略す)です。フィットのACCには本当に助けられていて、いつも有り難いと感じていたのですが、トヨタのACCは世代が違うのか次元が異なっていました。いや、HEVの特性とうまくマッチしてたのかもしれません。例えば走行車線を走ってる時に、追越車線から前方に割り込まれると、ACCは割り込みされる前から検知してて事前に速度を調整していました。フィットだと割り込まれてから割と強いブレーキをかけるのですが、シエンタの場合はブレーキが強く掛かる感じがなくて常にスムーズです。
ACC
笑ってしまうのが、割り込みされるとディスプレイに1秒くらいかな、他車に割り込みされるアニメーションが表示されます。よそ見運転になってしまうやろーって思うんですが、いやー、なんかテスラのソレっぽかったです。ちゃんとACCは周囲を見てるんやでっていうパフォーマンスになってる気がします。

話を戻して、固定速度での走りもホンダのそれより素晴らしいです。前車に追いつくと、一定の車間を自動で空けて追走に入りますが、ホンダのは割と急ブレーキに感じるのですが、トヨタのはかなり手前からゆっくり調整してる感じです。というか、クルマの中に人が乗ってるんじゃないかとまで確かに思う素晴らしさです。

前車があまりにも遅い時は、ウィンカーを出して追い越し車線に入ります。ACC固定速度からかなり落ちている状態ですから、そこから加速に入ります。ホンダの場合は、自動加速まで5秒くらいかかるのかな。案外待たされる感じがあるので、自分でアクセルを踏むのですが、トヨタの場合は追い越し車線に入るやいなやスムースに元の設定速度に復帰します。それが嫌な感じではなく、気がついたら加速してるという感じなのです。
※こういうのを持ってると安心かなって思う事増えました。
トドメに渋滞。前車が止まってしまう状態でも、トヨタの場合は停止まで完全に自動で面倒見てくれました。最後、停止すると電子サイドブレーキではないので、ディスプレイの表示と音で「ブレーキを踏んでください」と催促します。ホンダの場合は、うちのフィットだと時速30km/hを下回ると後はドライバーがなんとかしろと、ピーッという警告音を出してACCを解除して放りだします^^; N-BOXワゴンは電子サイドブレーキ搭載だからという理由で停止まで面倒見ます。が、電子サイドブレーキなくてもトヨタのやり方のほうがどう考えても安全です。

そして、最も違うなと感じたのがACCキャンセルのタイミングです。ホンダの場合、ACC自動ブレーキのタイミングと、私がブレーキを踏むタイミングが重なると、車体がガックンガックンと揺れるなど、なかなか不快な挙動を示すのですが、トヨタの時はただの一度もそういう不快な挙動は起きませんでした。いやはや、これなら渋滞の時も疲労しないです。

マジで素晴らしい!



  • ディスプレイオーディオとAndroid auto
普段スマホでトヨタのアプリ moviLinkを使用しているため、トヨタ車のディスプレイオーディオ(以下、DAと略す)に接続するのをものすごく期待していました。私のスマホは Pixel 8aです。Android autoに普通に対応してますし、moviLinkも対応してます。USB繋ぐだけで一発認識して、広い画面にスマホの画面が映し出されました。これは専用ナビと同じやんかー!と思ったんですが、走り始めてその思いは一変します。
DA
まず、走行進路を示す青いラインがDA側に表示されません。次に高速道路で分岐の表示が何も出てきません。つまり簡単に言えば、DAには自分の場所を示す地図が表示されているだけになりました。これではナビではないです。おかげで、名古屋と大阪の道中は音声だけに頼って運転する事になりました。まあ、ナビがなくても往復できるいつもの道なので、何の問題もありませんでしたが、これが知らない道の案内だったら、結構困った事になったかもしれません。

笑ってしまったのが県境案内。「滋賀県に入りました!」とか喋るのですが、同じ声でニ度言うのです。大切なことなのでニ度言う…わけではなくて、そもそものDA側にも地図表示機能がある、DAも可能なナビ状態なので、そちらも県境案内をしてたのです。同じトヨタ製なので同じ声で同じタイミングで喋るのがなぜか可笑しくてw

まあ、そんなこんなでDAとの接続は全然期待外れでした。Android autoが悪いのか、moviLinkが悪いのか。正直、フィットにDAを取り付けなくて良かったなと思ってしまいました…。



  • 燃費
HEVとはいえ、6名乗車です。息子が体重90kgと重いので、実質7名と変わりません(ぉ。そして、大阪市内の阪神高速道路で渋滞に捕まるなど、あまり条件が良いとは言えないです。総走行距離420km。フィットで4名乗車(90kg息子含む)だとガソリンスタンドで23Lぐらいの給油になりますので、だいたい実燃費は18.3km/Lぐらいです。今回お借りしたいシエンタHEVは 15.5L給油でしたので、実燃費は 27km/Lです。これってなかなか優秀だと思うんですが、どうでしょう?

なお、私がいつも給油してるスタンドは 2025/01/25の時点で 1Lが 166円でした。かなりの格安ですが、それでも大阪の往復でフィットなら 3,818円のところをシエンタHEVだと 2,573円で済んだわけなので、1,200円以上もお得だった計算になります。新車購入で2回車検を通すまでなら、間違いなくHEVは有利なのだなと感じました。



  • シエンタHEVのデメリット
良いことずくめなシエンタHEVですが、フィットが良い点も少しだけありました。まあ、これはクルマの特性というか性格の違いの問題なので、デメリットと言うほどではないのですが、普段フィット乗りの私から見たシエンタのデメリットも書いておきます。

まず、車体が大きいので当然ながら横風には弱かったです。新名神高速の橋の上で横風にもっていかれそうになりました。まあ、レーンキープが働いて自動修正された感じでしたが、フィットだと横風にやられた記憶はないので、そこは運転中の唯一のストレスでした。

次にトヨタのインパネです。情報量詰め込み過ぎというか、全体的に数値の表示が小さすぎます。走行可能残距離なんてマジで小さくてよく見ないと読めないです。そして、よく見るということは、それだけ運転に関してはよそ見をしていることになり危険です。もう少し老眼に優しいデザインにして欲しいものです。
※レンタカーで借りたままで設定を弄ってないので或いは老眼に優しい設定もあったかもです。
インパネ
あと、運転席左サイドに不満があります。フィットは左側に肘掛けはありますし、左足を乗せるフットプレートもあります。お借りしたシエンタHEVは左側には何にもありませんでした。正直、疲れます。オプションでは設定あるのかもしれませんが、一応、自分が乗ったクルマとの比較という事でご容赦ください。

あと、私のクルマが2019、シエンタが2022と3年の差があります。この間に私が今言ってる事は色んなメーカーで標準または標準に近い状態になってると考えられます。その点もご容赦くださいませ。
※NAVITIMEで動作が確認されている(と思われる)OBD2アダプタ。これに対応してるナビアプリなら首都高C1でも問題なくナビされるです。


  • 総括
今、もし同じ金額で2019フィットと2022シエンタHEVなら、もう間違いなく2022シエンタHEVですね。ただ、これが3年後ぐらいになると私の評価は変わります。それはHEVの電池は消耗するという事実です。私の中では5年を超えると劣化は進行してるという意識があります。HEVのクルマの価値は新車から5年までで6年以降は厳しいと思っています。

だから長く乗るという意味で言えば、私は今乗っている2019フィットが可愛いです。私は運転中「おいおいココで加速は危ないだろー」とか、クルマとよく会話してる変態ですしw だからHEV車はレンタカーだと最高ですが自分のクルマにはたぶんしないと思います。ですが、トヨタセーフティセンスの素晴らしさは心底感心しました。その意味で、50万円くらいの違いであれば、ホンダ車よりトヨタ車が欲しいとまで思いましたです。

まあ、トヨタ車は今やそういう金額ではなかなか買えないのではありますけどね…。とりあえず、うちのフィットちゃんは乗り潰す方向で可愛がります^^;