XeGrader for MSX2 の完成が近いのですが、実機の動作確認で一旦 ASCII 8K タイプで動かすべく、似非ROM基板を導入しました。健忘録も兼ねて似非ROM基板の使い方について、解説していきます。
- 準備
まずは以下の準備が必要です。
FDD搭載のMSX本体

私は愛機HB-F1XDを持ってます。FDドライブ付きのMSXを持ってないと何も出来ないので、まずはこれが手に入れることを優先してください。外付けのFDドライブでも動くとは思いますが、自分は試していません。
似非ROM基板
家電のケンちゃんで扱っています。2025/03/06現在は売り切れで再入荷待ちとなっています。基板そのものはにがHPさんの同人ハードとなります。
NGLOAD.COM
似非ROMにバイナリを焼くためのツールです。20250306現在は ver.1.51e となっています。アーカイブ内には NGLOAD.COM と NGLOAD.TXT が入っています。必要なのは .COM だけですが、使い方の詳細説明を知りたければ TXT も一通り目を通すとよいでしょう。
USB 3.5"FDドライブ

Windows11で認識する3.5"FDドライブは、かなり数が減ってきています。また、突然動かなくなることも有り得そうな情勢です。まあ、OSはWindowsじゃなくても問題ないので、とにかく3.5"FDドライブが繋がるOSを用意してください。
ちなみに私はこれを使用しています。
LITATA
3.5"FDメディア
これも入手が困難になりつつあります。MSX2では2DDタイプが必要ですが、2HDタイプでもノッチをテープで貼るなりすれば、そのまま使えるようになるらしいです(内藤未確認)。
※2HDメディアなので、左側のノッチをシールで塞いで使ってください。似非DOS for MSX
MSX-DOS が入手が困難ですので、その代わりに「似非DOS for MSX」を使います。リンク先のページで dosformsx.dsk または dos2formsx.dsk を手に入れてください。
Disk-Manager V0.17
似非DOSを3.5"FDメディアに書き込む時に使用します。残念(?)ながらこのツールはWindows版しかないっぽいです。
ROMファイル
とりあえずここでは MSX2 XeGrader 体験版を使用します。
- 3.5"メディアを作る
まず、3.5"FDメディアに似非DOSを書き込みます。そのために Disk-Manager を Windows にインストールします。インストールは DISKMGR.msi を起動してポンポンとボタンを押していくだけなので簡単です。

インストールした Disk-Manager を起動します。次に似非DOSの dosformsx.dsk をウィンドウに D&D で放り込みます。ウィンドウに COMMAND.COM と DOS.SYS が見えていれば正しく認識しています。

USB-FDDを Windows に接続して認識させます。正しく認識すればエクスプローラーの PC に、フロッピーディスクドライブ(A:)が現れます。

似非DOSを焼く3.5"FDメディアを USB-FDDドライブにセットして、Disk-Manager の File -> Write to disk... を選択します。

ドライブ選択ダイアログが表示されますので、A: ドライブを選択します。環境によっては A: ではないかもしれませんので、その場合は、エクスプローラーでドライブ番号を確認してください。あと、Format disk は私はチェックするのを推奨します。

[OK]ボタンを押すと、ディスクに書き込みを始めます。しばらく待つと完了します。完了したら、Disk-Manager はもう不要なので終了します。
出来上がったメディアには DOS.SYS しか見えない状態になります。ここにBGLOAD.COMをエクスプローラーからコピーします。続いて焼くゲームのROMを用意します。今回は体験版を焼くことにします。XeGrader体験版は ASCII 8K タイプのバンク切り替え対応となっていますので、ダウンロードして得られたファイルの拡張子を .8k に変更します。そして、このファイルをエクスプローラーから A: のFDメディアにコピーします。

なお、似非ROM基板は、ASCII 8K 以外にも、ASCII 16K、KONAMI SCC あり/なし、R-TYPEの形式に対応しています。拡張子で判定していますので、ASCII 8K 以外の時は、NGLOAD.TXT を参照してください。(.8K,.16K,.SCC,.KMN,.IRMとかとか)
- 実機で似非ROMに体験版を焼く
MSX2 のスロットに新品の似非ROM基板を差し込みます。そして、FDドライブにNGLOADが入っているメディアをセットして電源を入れます。これで似非DOSが起動して使えるようになります。

dir としてちゃんと全てのファイルが読めるか確認します。MSX からだと COMMAND.COM も見えてます。ここで NGLOAD ROMファイル名としてNIGA-ROM Loaderを起動します。今回の場合だと NGLOAD XGR1.8K ですね。
※ 私は製品版のROMを焼いたのでファイル名に TRIAL がありません。

ファイルタイプなどを確認して問題なければ RETURN キーを押します。…画面上には ENTER と表示されていますが、そんなキーはないので RETURN です^^; なお、ファイル名を間違えたとか、ファイルタイプが違うとか問題が見つかれば、SPACE キーを押すとキャンセルになります。

焼き終わると画面に Complete. と表示されます。プログレスの数字はブロック数を表していると思われるので、体験版だともっと小さな数字で終わると思います。これで似非ROM基板は体験版専用ROMになりました。MSX2のリセットボタンを押せば、ゲームが起動するはずです。
- 似非ROMに違うゲームを焼く
これが少しというかかなり大変でした。ROMに起動マーク"AB"が含まれていると、MSX2の本体は ROMから起動しようとします。そして、似非ROM基板を焼き直すには、FDから似非DOSを起動しなければ出来ません。しかも、本体のスロットに似非ROM基板を差している状態で、です。これは普通の方法では出来ません。そこでやってしまうのが禁断の似非ROM基板後差しです。
これ、最悪の場合は、MSX2本体が壊れると警告されている行為です。なので、やり方は紹介しますが、私は責任取れません。少しはんだごて弄れる人なら、スロットにスイッチ付けてーとか出来るようです。それなら大丈夫かなとも思いますが、結局は後差し行為です。相応のリスクがある事は理解してください。なので、普通は一回焼いたらオシマイと思ってください。
本当に念押ししますが、私は責任とれませんからね!
さて、手順は簡単です。まず、似非ROM基板を差さずにFDから似非DOSを起動します。起動したら電源が入っている状態のまま、その本体のスロットに似非ROM基板を差し込みます。何事もなく差さればそのままDOSコマンドを叩いて新しく焼くだけです。
何事もなければ!
うちのHB-F1XDだとリセットがかかってしまいました。うちの本体だと、右斜差しでリセットがかかるかかからないかという微妙な状態から、似非DOSを起動してPAUSEボタンを押してから、そーっと奥まで差し込むことで後差しが出来ました。別の人の報告では、やっぱり右斜差しから一気にえいやっと差し込むと成功するそうです。
うん、やっぱりどう考えても壊す可能性がある行為だよねぇ…。
※これ、量的にも余らなくてちょうど良い感じです。私のMSX2のスロット1が使えなくなっていたのですが、これを塗り塗りしたら復活しました。実績ありなので超オススメします!
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